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2001年の研究調査テーマとして、「単身赴任」をとりあげ、単身赴任増加の背景にある社会的変化、家族や家庭、そして仕事に対する意識変化を明らかにしながら、21世紀の夫婦・家族、そして引越し文化を考えるため調査を企画・設計しました。調査結果から見えた2001年の単身赴任者は、離れていながらも相互に信頼しあい、助け合う「遠距離恋愛」感覚の中高年夫婦です。私たちは、この新しい夫婦たちを、結婚前(第1期:恋人期)、結婚直後(第2期:新婚期)に続く「第3恋愛期」と定義し、その実態と意識をご報告します。
首都圏への単身赴任は、「大阪府」と「兵庫県」からが47%と約半数。次いで「愛知県」が18.5%でした。逆に、関西圏への単身赴任は、「神奈川県」35%、「東京都」24%、「埼玉県」17%、「千葉県」10%で、首都圏からの単身赴任が85%を超えていました。
単身赴任者の平均年齢は46.2歳。奥さまの平均年齢は44.6歳でした。 しかし、単身赴任者の年齢は50~54歳が1/3を占め、45~49歳を含めた45歳以上で6割を占めます。
平均勤続年数は24.3年、役職では課長職が4割を占め、「部署・部門の上席者・幹部」が6割弱、「支社・支店・営業所などの代表者」が15%と職場で責任ある人が3/4を占めています。また、奥さま調査によると、結婚してから19.9年が平均でした。
単身赴任の回数を聞くと、74%が「1回」と答えています。また、単身赴任二年以上を対象者条件としましたが、最も多かったのは「3年」で、単身赴任の平均年数は3.6年でした。
単身赴任者の職種を見ると、「営業・販売」が37%と3人に1人の割合を占め、次いで「技術・研究部門」13%と続いていました。売上目標や研究開発など、常に「成果」を求められる職種が多いのが単身赴任者の特徴のようです。
奥さま調査から家族構成を見ると、最も多いのが「大学や短大・専門学校生」の30%で、次いで「社会人として働く子ども」の28%の順ですが、これらが2~4年など年代の幅が広いことを考えると、注目すべきは「高校3年生」、「中学3年生」が共に15%という受験学年の割合の高さです。
高校1~2年生がいる世帯が23%、中学1~2年生がいる世帯が21%である事と比較すると割合がやや高く、「受験生がいる」ことが単身赴任の要因のひとつとも言えそうです。また、単身赴任者の奥さまの4割はパートの仕事を持ち、内職や正社員を含めると6割以上の人が仕事を通じた社会参加をしています。その他にも、「PTAや町内会などに参加」35%、「趣味などで仲間と外出する」33%と、積極的に居住地に友人や知人を作っており、そのような人間関係の心地よさが奥さまの同行を消極的にしている要因のひとつでもあるようです。
今回の単身赴任のための転勤の内示があったのは、「辞令発行の1ヶ月以上前」(34%)が最も多くなっていますが、辞令発行から赴任までの期間を考えると、「転勤内示から引越までは1~2ヶ月」というのが、転勤の一般的なパターンといえます。 内示が3ヶ月以上前にあった人は19%で2割に満たず、その一方で辞令の1週間前以下は18%に達します。特に、「内示もなく、突然の辞令」をもらった人が7%いました。また、転勤辞令の72%は、家族の同行か単身赴任かを選択できたと回答しています。しかし15%は家族同行による転勤辞令だったにもかかわらず、結果として単身赴任を選択していました。
会社からの指定業者(1社)以外に、自分で引越会社を決定した人(約半数)に対し、選択理由を聞くと、「単身者専用商品・サービスがあった」45%がトップで、「有名だから」29%、「実績があるから」25%と続き、「金額」19%を大きく上回っていました。これは、金額よりもサービスの利便性・信頼性を重視したことが伺えます。
単身赴任者の住まいは、会社の借上げ社宅を含め63%は、会社の施設でした。
内訳は、「借上げ社宅」が27%で最も多く、次いで、「独身寮」への入居が12%、「単身赴任専用社員寮」が15%などとなっています。
リストラなどによる若年層の減少や、若者の「独身寮離れ」が、逆に既婚者の単身赴任の受け皿となっている事や、「単身赴任専用」社員寮という量的な規模の形態が成立するところに、「単身赴任」がビジネスの就労形態として大きな存在になっていることを示していると言えます。その広さは、ワンルーム・1DKまでがほぼ6割を占め、空間的には「単身」よりも「独身」に近い環境です。
住まいを選ぶ基準は、「通勤時間が30分以内」で、コンビニやスーパーが近くにあり「買物が便利」なところという点でした。職場と住まいとの往復の日々をイメージして、「便利な街」が重視されている反面、文化的な交流や接点を持つという意識は、「病院」や「スポーツジム」、「市役所」「歴史や古跡」などへの意識・関心が極端に低いことからわかるように、ほとんどありません。その結果、6割の人は「住民票」を移しておらず、「長期滞留者」にとどまっています。これらが、転居後に病気や災害などの非常時に充分な行政サービスを受けられない要因のひとつともなっており、転居前に充分な住まいを選ぶ基準の指導が企業側に求められます。