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タテマエだけで、環境やリサイクルを語る時代が終わり、実行や行動が求められる21世紀。
環境先進国と言われるドイツのヤングミセスたちと日本のエコロジスト・ママたちの意識や価値観を比較し、より環境にやさしい生活とは何かを考える資料とします。
地球の環境問題は大切な問題だと考えているのは、ドイツで81%、日本は74%でした。しかし、「手遅れではないか」と考えているのは日本で50%に対し、ドイツでは40%と10%少なく、逆に「まだ間に合う」と考えているのは日本の24%に対し、ドイツでは41%と、17%多くなっており、時間認識には温度差が見られました。これは、それぞれの国の環境への取り組みの格差と同時に、客観的に現実に対応するドイツと集中的に問題を解決しようとする日本の国民性も反映しているのではないかと思われます。
環境問題を「身近さ」意識で見ると、日独ともに「世界の食料不足」「自然の恵みへの感謝」「地球の温暖化」「河川の汚れ」といった経済システムや教育制度などの社会システムによる環境問題を「身近な問題」ととらえています。しかし、日本では「生活スペースが狭い」、電化製品や衣類が「捨ててある」ことも身近な問題になっているのに対し、ドイツでは「捨てる」という行動が少ないことと、それらは個人の問題であり、自分には関係がないという意識もあって、「私には身近な問題ではない」と認識されていました。
温暖で生物が腐りやすい日本の風土が「刺し身」など新鮮なものを尊ぶ生活文化を生んで来た反面、「木の家」「草の床(畳)」など朽ち果て、捨てることを前提とした「捨てる」ことを容認する文化を生んできたと言えるかも知れません。ドイツでは逆に、自然環境が「捨てない」生活文化を生み、それらが再利用する文化「リサイクル」を重視する意識となっているのではないでしょうか。そんな思いにかられる程、リサイクルへの関心度は一緒でも、関心の深さでは日独の格差が大きくなっていました。
リサイクルといえば、日本では買った後の処分システム(再利用)という認識が高いようですが、リサイクル(循環)という言葉のとおり、再利用しなくても良いようにまず「買わない」事から始まるのがドイツ流です。そして、リサイクル品は買うのもドイツ流です。日本では、「詰め替え用袋」など、便利なものを買うことがリサイクルの入り口になっている事を考えると、日本は「買う」リサイクル文化ですが、これも再生紙などの「リサイクル文具」はあまり買っておらず、もう一度「なるべく買わない」リサイクルから生活を見なおすことを、ドイツミセスから学ぶべきではないでしょうか。
日独とも、再生紙による紙製品はほとんどの人が知っており、次いでドイツでは「自転車・バイク」の再生、日本では「リフォームショップ」「ペットボトル再生」が知られていました。欧米には、いわゆる「ママチャリ」と呼ばれる自転車はなく、ドイツでいう自転車とはほぼスポーツタイプの自転車であり、再生品というよりいわゆる中古自転車で、人気があります。逆に、ドイツでは日本のようにペットボトル商品をあまり買わないためペットボトルの再生にはあまり関心がないというのが、このような認知の格差になっているようです。
ドイツでは、再生自転車・バイク、再生家具・電化製品、再生建材・園芸用品、リサイクル園芸肥料など、リサイクル品が身近に手に入る環境が揃っています。しかし、これは単に「身近にある」というだけでなく「関心があるので、身近に感じる」ということでもあります。
リサイクル品の利用率が日本で低いのは、身近にないからではないか。そのような視点から、身近にリサイクル品があると回答した人をベースに日独ミセスの利用経験を見てみました。その結果、利用率の格差は2倍くらいまで大きく縮まったものの、ドイツにくらべて日本の利用率の差はまだ大きいようです。
リサイクルイメージを見ると、日独ミセスともに「合理的な」「大切な」が上位に並び、基本的なイメージに差はありません。しかし、ドイツミセスでは30%以上の回答項目が7項目あるのに対し、日本のミセスは3項目にとどまるなど、ポジティブでイメージが豊かにリサイクルを考えるドイツミセスと、「頭でわかって、心がまだともなっていない」日本ミセスとの違いがうかがえます。
子どもへの家庭でのリサイクル教育を見ると、「意識して教えている」がドイツ65%、日本14%、と大きな格差が見られました。 このようなミセスの意識の格差が子どもの意識に反映することを考えると、日本のミセスはもっと、家庭でのリサイクル教育に熱心であってもよいのではないかと思われます。
リサイクル生活をポジティブに考えられる背景として、生活技能が豊かな事が重要な要素である事は日本のミセス調査で明らかになっています。
そこで、日独のミセスの生活技能力を見るとその差は歴然としており、日本のミセスがドイツのミセスを上回ったのは「テレビゲームをする」だけでした。
自分で何でもできるように教えるドイツの家庭教育はこのような、ミセス自身の生活技能力に支えられたものであり、生活技能力が低い日本のミセスはやはり、怒って叱るだけの家庭教育しかできないのかも知れません。
穴のあいた靴下は、日本のミセスの47%は「捨てる」と答え、ドイツでは24%でした。
逆に「つくろって履く」はドイツの56%に対し、日本では35%でした。
日本もドイツも99%はボタンをつけることができるミセスが、日本だけ「繕う」ことをしないのはなぜなのでしょうか。