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この調査では「四年以内に都心へ転居してきた50歳以上の人たち」を「トランスター・シニア」と呼ぶことにしました。トランスター・シニアは都心回帰はしても、決して現状で定着することなく、自分のライフステージの進化にあわせて住み替える積極性を持ち、四年以内に引越したにもかかわらず、47%は今後もまだ街を住み替えて行こうという意識を持つ人たちです。ここではトランスター・シニアの都心意識について調査しました。
トランスター・シニアの家族構成を見ると、「単身(自分ひとりだけ)」は調査対象者の中で該当者がゼロでした。 逆に親子や兄弟姉妹との2人同居や、家族同居世帯の割合が一般調査よりも高くなっています。しかも、55~64歳で「夫婦ふたり」の割合が高くなった後、65歳以上になると割合が減少するのは、夫婦のどちらかがひとりになった時に、子どもの家族との新しい同居がはじまったことを示しています。 家族が成熟して子どもが独立し、やがて、再び一緒に住まう「家族の共存」。 都心回帰にはそんな、新しい「都心同居」のライフスタイルもありました。
トランスター・シニア層は、現在住んでいる街をどのように認識しているのでしょうか。 地理的な分類では全員都心生活者なのですが、意識として「都心」「郊外」に分けたずねたところ、全体で79%が「都心」だと認識しているものの、2割の人は都心意識が希薄でした。 特に、東京23区への回帰者では82%が「都心」居住意識があるのに対し、大阪市内への回帰者では74%と意識が低くなっており、その相違点は東京の山手線生活圏では80%が「都心だと思う」と回答しているのに対し、大阪の環状線生活圏では31%にとどまっており、その差が東京・大阪の意識格差を生み出していました。
都心とはどのような機能を持つ街なのか。 トランスター・シニアの考える都心とは、人が集まるための「電車・バスなどの公共交通機関の便」や「友達などと待ち合わせしやすい」など、人が「集う」街であり、お金(金融機関)、医療(病院)、情報(仕事・文化)などが集まっている、「集う」機能性の高い街です。 特に、「お金、人(友人)、仕事が集う」という面で、トランスター・シニアの都心への意識が一般の人たちよりも高くなっていました。
都市機能への期待とは、その地域のトランスター・シニアが生活価値の中で何を大切にしようとしているかの反映です。 東京と大阪の都心機能へ期待を見ると、東京では「文化施設の充実性」と「仕事や職場の充実性」の面が大阪よりも重視され、大阪では「金融機関の充実性」と「安全保障(セキュリティー)の充実」が東京よりも重視されていました。 「江戸っ子は宵越しの銭は持たねぇ」という言葉がありますが、お金よりも心の充実を求める東京のトランスター・シニアに対し、「しっかりとお金を始末する」大阪のトランスター・シニアの価値観が、都市機能への期待にも浮かび上がっているようです。