お引越しの見積り・ご相談は、
0120-0123-33
最近の新聞やテレビなどでは、企業の工場移転や分社化、本社機能の移転など、就労者の人口移動を促進する話題が毎日の新聞をにぎわしており、正しい意味でのリストラクチャー(事業再構築)による社員の再配置は企業戦略に不可欠な要素となっています。このような社会変化は単身赴任の増加の大きな潮流として社会的な視点からとらえられるべきです。そこで、単身赴任増加の背景にある社会的変化、家族や家庭、そして仕事に対する意識変化を明らかにしながら、21世紀の夫婦・家族、そして引越文化を考えるため調査を企画・設計しました。
家族との転勤に対し、「子どもが抵抗」したのが23%、「奥さんが抵抗」したのは10%ありました。(ご主人回答)。しかし、何よりも「本人が家族のために反対」したのが35%と最も多く、30%は「次は単身赴任と決めていた」と回答し、8%は「単身赴任にネガティブな意識はない」と回答しています。
つまり、単身赴任は家族同行の転勤に対する消極的な選択ではなく、家族を考えた積極的な選択となっていると考えられます。
単身赴任者の引越費用で最も多いのは10~15万円で、平均は20万3000円でした。
内訳では、家具や電化製品の購入額が11万8000円と最も多く、引越の運送費は3万7000円でした。
ワンルームや社員寮などで生活する単身赴任者が多いため、エアコンは蛍光灯よりも備付けの割合が高く、冷蔵庫、整理ダンス、食器棚など、従来の単身必須アイテムは、部屋にあるものを使う割合が高くなっています。その一方で、布団、携帯電話、掃除機、電子レンジなどは自分で持ちこむ割合が高く、特に携帯電話は単身赴任の新・必須アイテムとなっています。
単身赴任者の1ヶ月の生活費は「12~14万円」が最も多く、次いで「10~12万円」の順でした。平均金額は16万7000円ですが、全体の中央値(50%)は12~14万円未満の位置にあり、単身赴任者は実質月13万円前後で生活していると見るのが実感に近い値といえそうです。
単身赴任者の自宅への帰宅について、半数の勤務先では「定期的な帰宅制度」を持っていました。それは、「月1回」が72%を占めるものの、「月2回」が22%、「月3回以上」が6%となっていました。しかし、制度では帰宅が月1回でも、「仕事で帰れるように、週末や週初めに本社で会議を開くなどの配慮をしてくれている」や「結婚記念日や誕生日などが有給休暇になる制度がある」など、家族とのふれあいを持てるように会社や団体も積極的な制度の充実をはかっています。
単身赴任者の単身赴任制度では、会社の経費での帰宅は月1回が大半ですが、実際には46%が隔週以上帰宅しています。これは首都圏周辺から首都圏へというように、通勤はできなくとも週末に帰るのに時間的な問題が少ないためで、高速道路や鉄道の高速化は、時間距離を短縮し、単身赴任による別居意識を弱めていると言えます。 一方、家族の方も6割は年に1回は単身赴任先を訪ねており、家族と単身赴任者とのふれあい時間は決して少なくありません。
単身赴任のご主人と奥さまは、ふだんどのような連絡をとりあっているかをたずねたところ、ご主人からの連絡で最も多かったのは「携帯電話やPHSを使って自宅へ電話」が約8割と群を抜いて高く、次いで「自分の部屋の電話を使って自宅へ電話」「職場の電話を使って自宅へ電話」47%の順で、電話が上位を占めていました。それらに次いで、「宅急便」37%と上位に並んでいました。
一方、奥さまからは「家の電話で、ご主人の携帯電話やPHSで電話」が73%と最も多く、次いで「家の電話で赴任先の部屋へ電話」58%の順で、電話が上位にあるものの、3位に「宅配便」55%、4位に「手紙やハガキ」44%と並び、いろんな方法で夫婦の連絡を楽しんでいる様子がうかがえます。
また、その質的頻度でなく、回数頻度を見ると、単身赴任のご主人は月平均でのべ22.7回連絡しており、自宅に帰らない日はほとんど毎日、家族の誰かと連絡をしている頻度となっていました。 逆に奥さまの連絡頻度は月に18.3回とご主人よりも低くなっています。
これはご主人からの発信には子どもなどへの連絡が含まれるためで、特に子どもには会話よりもEメールの割合が高くなっています。
単身赴任のご主人について、奥さまの心配事は「食事」(72%)、「仕事疲れ」(65%)、「飲み過ぎ・吸い過ぎ」(61%)、「風邪を引いていないか」(60%)など、健康状態が上位を占めています。
社歴も平均20年という実績があれば、奥さまが心配するのは仕事や生活環境よりも、まずは「ご主人の健康」となるのは当然かもしれません。
単身赴任をしたご主人が気にしているのは「家族」という点についてはご主人も奥さまも差はありません。
家族の中でも「子ども」のことが話題になるだけに、奥さまはご主人に対し「子どものことばかりが気になっている」と考えています。
しかし、ご主人は「子どもの健康状態」は気にしているものの、本当は奥さまの疲れや健康が気になっているのです。
そんな会話が少ないのか、あるいは奥さまの声を聞いただけで疲れや健康状態がわかるのか、ご主人からはあまり奥さま自身についての話がないために奥さまは、そんなに自分のことをご主人が気にしているとは感じていません。 単身赴任という言葉には「家族よりも仕事」というイメージがつきまといますが、実際は「家族のために仕事」を選ばざるをえなかったのが単身赴任であり、そのような家族愛のある人だけが単身赴任をまっとうできるのかもしれません。
単身赴任がご主人にもたらしたもの。それは「ひとりで生活していると、急な病気やケガをした時の事を考えると家族との同居のよさを改めて感じる」ことや「単身赴任先で力いっぱい仕事ができるのは家族のおかげだと感謝している」といった、家族の重要性の再確認であり、「単身赴任によって妻と離れ離れの生活をして、改めて妻の魅力や良さを感じることがある」という夫婦愛の再認識です。
これは、奥さまも同じように「単身赴任によってご主人と離れ離れの生活をして、改めてご主人の魅力や良さを感じることがある」と感じており、「この単身赴任は自分自身の将来のために必要なプロセスであり、有効に活用して行こうと思う」と考えているご主人を理解し「この単身赴任はご主人の将来のために必要なプロセスであり、それを支えたいと思う」と奥さまも考えています。
そして、夫婦とも「家族のために単身赴任を拒否する人もいるが、単身赴任もまた別の意味の家族愛だと思う」と考えていました。
単身赴任者の8割の人は単身赴任を「できるなら早くやめたい」と考えており、特に「そう思う」と強く回答した人は48%いました。 奥さまも7割強の人が「早くやめてほしい」と考えてはいるものの、その気持ちはご主人よりやや弱くなっています。
早く戻りたいと考えているのは、30代や関西圏から首都圏への赴任者で、やや水があわないということでしょうか。また職位別では、一般職よりも上級職でやめたい気持ちが強くなる傾向が見られました。