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前回は転校経験者による意識調査についてご紹介しましたが、今回は転校生の実態という観点で、全国の小学校を対象に転校生に関するアンケートを実施いたしました。転校生の現場である小学校における現在の転校生の実態や転校生に対する先生方の意見・意識を調査しました。
小学校の62%は100年以上の歴史を持ち、その多くは明治時代から始まっています。戦後にできた学校は2割。平成以後は1%でした。我が国の教育にかける取組みの歴史の深さを改めて知ることができました。
小学校の37%は「田園が広がる農村」にあり、27%は「山や谷が広がる山村にある」。しかし、そのような「自然が多い小学校」は全体の56%を占めるものの、その生徒数は小学生全体の25%に過ぎず、逆に全体の14%である「新興住宅地の小学校」が生徒数の32%を占めるなど、小学校の規模の格差が大きいです。
小学校の平均クラス数は9.2クラス、生徒数は237名でした。1クラス平均26名。クラス数は1学年1クラスに相当する6クラスが全体の29%を占め、1学年1クラスが成立しない学校が全体の22%を占めていました。1学年1~2クラスというのが今の小学校の現状です。
99年の新学期の転校生実態は、生徒数の1.3%を転校生が占め、2~5年生では1.6~1.9% の割合となっており、6年生になると半分になっています。小学校最後の学年は今までの小学校で卒業させてやりたいという保護者の意図がうかがえます。
98年度の1年間の転校実態では、2~5年生で1学年平均1.5人が転出し1.5人が転入し、1学年で6~8%が移動する割合となっています。転校は2~3年生時が多く、6年生になると5年生の半分近くに減っています。この移動率はのべ37%を占め、6年間にクラスの3分の1が転校で入れ替わっています。
学期別の転校は、転出は学年が終わった3学期、転入は新学期からという動向が見えます。
転校生の移動距離を見ると「同一市区町村・同一都道府県」が全体の7割を占め、方言や暮らしかたなどの生活文化として大きな変化は少ない傾向となっています。
転校生を受け入れる側の生徒たちの態度は、きわめて好意的に受け入れようとする姿勢がうかがえます。転校生へは56%が関心を示し、その中から歓迎する雰囲気が生まれ、その行動として「友達として受け入れよう」という意識が持たれています。その一方で、「転校」そのものは今の小学生にとって特別なことではなく、転校生に対する抵抗感を多少感じるという回答は1%に過ぎません。
先生たちの視点では転校生の9割は「自然とクラスメートに同化」し、「多少の問題を起こすことがあっても学期末頃には同化」していると見ています。同化できずに登校拒否やいじめの問題で悩む児童が半数近いと回答したのは1%でした。逆に2割近くの先生は「転校生がクラスに活力を与え、学校生活や学習面で活発にクラスをリードしている」と見ています。
現在の小学校の現場では「転校生は特別な存在」でなく、しかも「ネガティブなイメージは少ない」というのが多くの認識でした。「保護者が心配しすぎる」は9%しかなく、保護者の家庭での気配りの重要性がうかがえます。
小学校の先生たちが転校生の保護者にアドバイスするポイントは「地域社会への溶け込み」で、保護者の姿が、子どもたちの見本となっています。また、転校当初は多少過敏な程度に子どもの変化に注意し、学校に相談してもらえれば、先生たちも早めに手を打て、解決できるとしています。