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今回は、近年増加しつつあるシニア世代の都心回帰現象に注目しました。一般のシニア世代と、最近実際に都心回帰を果たしたシニア層の2グループを対象に、「都心回帰の実態と意識」調査を実施しました。
シニアたちが抱く都心のイメージや都市に求めるものを調査することで、シニア世代が都心に回帰する背景や、高齢化社会を迎える中での都市機能への期待がみえてくるのではと考えます。また、今回の調査では、男女間や首都圏・大阪圏での意識の違いなど興味深いデータも集計されました。
50歳から79歳の人に、将来的に住みたい街を、「都心」「郊外」「田舎」に分けて答えてもらいました。 「そんなこと考えたこともない」と回答があったのは17%で、残りの83%がこのような質問に即答しているのは、将来の住まいについて過去に検討したことがあることを裏付ける結果だといえます。 「ぜひ」、あるいは「できれば」都心に住みたいと回答したのは全体の25%でした。 郊外派は31%と最も多く、田舎派も20%ありました。
将来の街スタイルの志向を地域別にみると、都心志向は東京圏で27%、大阪圏で24%と東京がやや高いものの大きな差ではありません。 東京圏では郊外志向が高く、大阪圏では現状志向が高くなっていました。 田舎志向は東阪ともに2割という一定割合を持っていました。 性別では、男女とも3割が郊外志向で最も多く、都心志向では男性が20%、女性が29%と9ポイントも女性での都心志向が高くなっていました。 逆に男性では田舎志向が27%と女性の16%を11ポイントも上回っていました。
調査対象者は50歳以上。つまり、生まれた場所にそのまま住んでいれば居住年数は50年以上となります。 調査の結果をみると「50年以上」は全体で5%、東京圏で4%、大阪圏で5%でした。つまり、ほとんどの方は「生まれた場所に住んでいない」ことになります。 平均居住年数は全体で22年、東京圏で21年、大阪圏で23年でした。 対象者の平均年齢が全体で61歳ですから、現在の住所に住み始めたのは平均で39歳の時になります。 また、居住年数が4年以下も全体で11%あり、都市圏に住むシニアたちの「地元定住性」は決して高くないといえます。
シニア層がイメージする「都心」のトップには「騒がしい」が来ていました。 そして「明るく、華やかで、快適」な一方で「危険で、不健康」なイメージも持っています。 明らかに活気のある都心ターミナルの繁華街のイメージであり、それが「都心」であれば東京23区や大阪市内の住宅街は「やや都心の近く」の街と表現せざるを得ません。 ここには「便利で快適な」都心の生活ライフスタイルのイメージは極めて希薄だといえます。新しい都心の生活は、このような従来の都心イメージを払拭するところから始める必要がありそうです。
地域別に、都心のイメージをみると、東京圏が高く、大阪圏が低い地域差が顕著に出ている項目が3項目ありました。 「国際的な」「最先端の」「現実的な」街だという点です。 華やかな反面、危険で、不健康で、汚れたと評価された東京都心は同時に、国際的な最先端都心としても評価されています。 大阪の都心は今後、この国際的で最先端といったようなポジティブな都心イメージを構築する必要があると言えます。